日本に一時帰国してた時にジャニス・ジョップリンにハマってからというもの、
60年代、70年代ものが妙に目に付くようになったままNYに戻ってきました。
そう思って見てみるとマンハッタンとかブルックリンのレコード屋とか本屋は宝の山。
Virgin Record で$10で買った1970年のフェスティバル・エクスプレスを観ては
『混沌として何でもありな時代だからこんな面白い事が出来るんだ!』と思い、
某カメラマン主催のオークションでアレン・ギンズバーグが撮ったボブ・ディランの写真を見ては、
自分の知らない悶々としていたNYへの妄想を膨らませるのでした。
で、昨日観た映画も70年代にゲイを公言して、ゲイ権利のために戦い続けたサンフランシスコ市政執行委員、ハーヴィー・ミルクの伝記 『Milk』
人、コミュニティ、市、そして結果的に世界へと大きな影響を与えた彼は、
残念ながらあまり知名度は高くないけれど、
自分の戦いへ惜しまず情熱を注ぐ姿勢にただただ頭が下がる思いでした。
これ、かなり面白いです。みなさん、日本で公開したら是非観て下さい。
こうやって過去の人達の栄光を見ては楽しそうな時代だったなぁ、いいなぁ、
なんて思っていたのですが、今日お会いした編集者 Sさんに
『だめですよ〜前見ていかなきゃ。あの時代は良かっただなんて年とったらみんな言うんだから』
と一蹴されました(笑)
確かに、10年後に今のNY生活を振り返ったとき、
『あの頃NYで結構面白いこといっぱいしたなぁ〜』と思えるかどうか。
それを意識しながら今生活するのと、しないのとでは目に入ってくるものって大分違うんだろうな。。
過去がどうだったら。。。なんて想像するよりも、今目の前にあるものを意識して生活していこうと
密かに心に決めたのでありました。
ちなみに余談ですが、昨日映画をみた帰りになかなかこない地下鉄を待っていた時のこと。
一人の若者が電車を待ちかねたのかいきなり
『有名人の名前誰か一人あげてみろ!』
と、そこにいた人達に次々とからんでて、
小心者の私は目を合わさないように本を読んでるフリをしてたのですが、
なんせ真っ赤なコートを着ているので目立つ、目立つ(笑)
『そこの赤いジャケット、誰か名前あげられるか?』
と、問われ、とっさに読んでたボブ・ディランの本を見せたら、
『よーし、いいぞ!』
と、満足そうに去って行きました。
ふ〜 70年代に救われたぜ。。
でもこんな面白い事が起こったのは他でもない2008年☆