いきなり余談。
ルームメイトに『祖父の七回忌と、祖母の50日祭があるから日本帰る』
と、言ったら(うちは父方が仏教日蓮宗、母方が神道)、
『死んだ後もそんなにセレモニーがあんの?』と驚かれた。
確かにお葬式が済んだらはい、終わり、のアメリカ人からしたら、
あんた達いつまで故人偲んでんのよ、という感じだろうな(笑)
で、本題。
今日は、映画監督の溝口健二の墓を写真撮ってきて!と
NYの友達に頼まれていたので、(よく知ってるな、笑)
池上本門寺へ
手書きの優しい雰囲気の書体が印象的で、
裏には没日、横には戒名『常光院殿映徳日健居士』
墓石の横にあった記念碑は表に、
『藝の道、映画の道が端的に黄泉につづくと 思ひがけきや』
裏には、彼の作品名が刻まれていた。
小さな墓石に凝縮された彼の人生。
ポラロイドを撮っていると、近所のおじさんに話しかけられ、
色々話しているうちに、そのままお墓ツアーがスタートした。
どうやら、若い人が興味を示しているのが嬉しかったらしく、
次々とおすすめスポット(注:すべて、墓)に連れて行ってくれる。
建立してから1070年経っているお墓から始まり、
力道山の墓には、彼の銅像が立っていて、
トラ年でトラ好きの人はトラの石像を守り神のように置き、
長島茂雄のユニフォームを墓石に彫ってる人もいたし、
列車マニアがゆえ墓石ごと列車型にしてる人までいた。
万両塚というお墓はもはや、古墳と呼べるくらいでっかいし、
おヤクザの方のは墓石も壇も全てカドがなく、丸みをおびていたし、
DHCの創立者のお墓はツルツルしてて、キレイだった。
墓地ってこんなに面白かったのかー!
知らなかった。。。
ヘタな美術館より面白いかも。
自分が死んだら暗いとこに埋められるより、
山とか、海とか、その他の馴染みの場所に
撒いてもらえたらいいやー、なんて漠然と思っていた私。
今でもまだその気持ちはあるけど、
でも今日、自分の生きた証を残していった人達に
私は確かに感動させられた。
自分の墓石に何が刻めるか。
それを自分に問いかける事は忘れちゃいけないと思った、
とある春日和の午後でした。
ちなみに、薬学者だった祖父の墓には
彼の戒名である『顕秀院法薬日敏居士』が刻まれている。
道のりは、遠いかな。。
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無題
2010/03/12(Fri)08:15
話しかけられてお墓ツアーなんて、人柄が出てるね(笑
墓地ってなんだかこわいけど、
落ち着く場所でもあるんだよね。不思議…
まだ日本にいるの?
No.1|by こむろっく|
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